『分割国家の後日談』ってどんな話?
こんばんは、無月彩葉です。
この度は『分割国家の後日談』に対するご感想&ファンアートをいただいたので、掲載したいと思います。
めちゃくちゃ最高な感想文なので心して読んでくださいね!
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【あらすじ】
ポーラ共和国の首都シャルワナにある小さな喫茶店「ペッシュネ」そこには個性的な従業員達が働いていた!
天使のように可愛らしい女の子、ユリア
一見怖いけど実は寂しがりやな女の子、ニナ
そして、ちょっぴり?不器用な女の子、ノイ
普段は「ポンコツ」呼ばわりされるノイだけど、実は魔力だけはチート級?!
個性的なキャラクター達が送る!「喫茶ペッシュネ」の日常
しかし、実はここで働く彼らは心に傷を抱えていた
元「分割国家」で繰り広げられる、小さな喫茶店の非日常!二度目の世界大戦が終わり、復活を果たしたポーラ共和国が舞台であり、人々はまだ癒えることのない悲しみと戦っている
この救いのないような世界で、「大切でかけがえのない日常」を愛す彼らの物語は、くすりと笑えるけど、時には切ない
でも大丈夫!底抜けに明るくポジティブなノイが、最後に貴方に「前向きになれる」魔法を掛けてくれます!この作品を読み終わったらきっと貴方も前向きに生きようと思えるハズ!
【キャラクター紹介】
◯カロル
普段は省エネ人間と自負しており、仕事に関しては一定の基準をクリアすれば良いと思っている 自己評価は低めだが、実は優しい
普段、先輩であるノイをからかうことを生きがいにしている節がある
しかし、底抜けにポジティブ思考であり、失敗をしてもめげずに一生懸命に働くノイを実は尊敬している重度のシスコンなのが玉に瑕
◯ノイ
ちょっぴり不器用な女の子 それ故によく仕事の失敗を年下のカロルにからかわれている底抜けに明るく、失敗を物怖じしない性格 実は高い魔力を保持しており、チートとも言えるような規格外の強さを持ち合わせているが、当の本人は喫茶ペッシュネで働くことに意義を見出している
◯ユリア
容姿端麗で優秀 まだ学生であり、帰宅後に喫茶ペッシュネを手伝っているカロルの妹 普段、カロルには手厳しいが、裏でノイには「兄さんは本当は強い」と褒めているらしい?
兄曰く「天より二物を与えられた存在」
◯ニナ
一見、つっけんどんで冷たい人間に見えるが、コミュニケーション不足故に誤解されやすい 本当は寂しがりやで自分の居場所を求めている 感情を表現するのが苦手だが、本当はみんなともっと仲良くしたいと思っている
◯リシャルド
喫茶ペッシュネの店長 ポーラ料理が得意 間違いなくこの世界で一番のぐう聖 困っている人を放っておけない性分 わりと見境なく人を雇う
◯魔獣
元々は動物としてこの世に生を受けたが、人間によって無理やり魔力を注がれ凶暴な生物兵器と化した存在 世界が混沌と化した原因の一つであるが、無理やり姿を変えさせられた魔獣自体もある意味、被害者と言える
【見どころ】
① とにかくとことん前向きでめげないノイちゃんがかわいい!
主人公カロルからよく「ポンコツ」とからかわれるノイ 確かにノイはお皿やカップを割ってしまったり、注文を間違えたり、紅茶好きを公言しながら紅茶の淹れ方に不安がある等々ホールで働くには致命的なミスを重ねる
彼女の良いところは明るく前向きでとにかくめげないところ!
「己の失敗は己で始末する」過去にしてしまった数々のミスを結局、人の手を借りずに己の力でカバーしてきたため「トラブルマスター」とも呼ばれている
また、普段は「ポンコツ」呼ばわりされてしまうノイだが、戦闘場面になるとものすごく頼りになるお姉さんと化す
この普段とのギャップがたまらない!軍隊顔負けの高い魔力を保持しているノイはその力を人を守るために使う
ポンコツだけど優しくて強いノイ先輩は誰がなんと言おうとかっこいい!!
ノイ以外のキャラクターはどこかみんな素直になれず、本当の気持ちに蓋をしてしまう傾向があるけど、失敗を恐れず、いつもニコニコ前向きな先輩の存在こそがみんなの心を溶かすのだ それこそ、魔法みたいに
優しくてカッコよくて、ちょっぴりポンコツ 読むとコロコロと表情を変えるノイが頭に浮かんでクスリと笑えます
② 主人公カロルも魅力的
◯とにかくノイをいじり倒す
ノイ先輩を尊敬していると言いつつも、めちゃくちゃいじり倒す 1日1回はノイをいじるというノルマがあるのかな?というくらいいじり倒す
特にノイが「接客業に誇りを持ってるからね!」と言った際には「埃なのか誇りなのか分からない」と心の中で毒付いている描写が面白かった 先輩をいじることに余念がない
◯シスコンなのが玉に瑕
この兄、重度なシスコンである
兄を冷たくあしらう妹ユリアに対して、底抜けにポジティブな解釈をする主人公の対比が面白い(ここのポジティブさだけはノイを圧倒的に上回るの笑った)
◯いざという時に頼りになる!
主人公カロルは幼い頃、妹ユリアと共に魔獣に遭遇し、人が死に、街が崩壊していくという恐ろしい光景を目の当たりにしています
当時のことがトラウマになっているが、ニナと2人でお店のお使いをしている時、魔獣に遭遇しとっさにニナを守る等漢気がある ピンチの時に強いキャラは良いぞ
普段はだるそうにしていたり、軽口を叩いたりするカロルがピンチの時に頼りになるというギャップが良いです
③ 日常に潜むダークな世界観
物語初期は「喫茶ペッシュネ」での日常メインでキャラクター達の掛け合いが面白く「ほっこり日常系なのかな?」と思いきや、外出時に「魔獣」に出くわす描写があり、危うく命を落としかけます
物語の中盤で、少し外出するくらいでも命を落とす可能性がある世界を生きていることが判明する
また、喫茶ペッシュネで働くキャラクター達はみんな善良な心の持ち主だが、元「分裂国家」故に人種差別は存在しており、一筋縄ではいかない社会情勢に無力感を感じる場面も存在する
ただ、そんな絶望的な世界だからこそ、懸命に生きる主人公たちの想いに心を動かされる
また、登場キャラクターの過去が明かされる時、序盤に繰り広げられた「喫茶ペッシュネ」での他愛ない日常こそかかけがえのない時間であると実感できる
④ つらいことがあったら逃げても良いと教えてくれる
この物語に出てくる登場人物はみんな、心に傷を負っている
他人には優しくできるのに、自分のことになるととても厳しい子が多い
物語を読み進めると、立ち向かう勇気も必要だけど、自分を許してあげる器量も必要だよねと思わされる
⑤ 作品随一のぐう聖リシャルド店長の作る料理が本当に美味しそう!
私事ではございますが、食べるのがね…大好きなんですよ
食の描写が細かくてめちゃくちゃ鮮明に想像できて「絶対に美味しいっ…!」と思ってテンション上がっちゃった!
この物語の舞台、ポーラのモデルは「ポーランド」なんですね
ポーランドの郷土料理である「ピエロギ」「ジュレック」が作中で登場するのですが、まるですぐ目の前で料理が出されているかのように感じられる描写がすごい…!香りを想像するのがたまらなかった
私もリシャルド店長が作った夏に出るピエロギを是非食べてみたい!
余談ですが、この物語を読んでいると、節々に感じる作者様のポーランド愛がすごいなと感じた 楽しんで書いているのが伝わってきてワクワクする
【この作品を読んで】
面白くて一気読みした キャラクター達の微笑ましい掛け合いから一変、わりかしダークな世界観の寒暖差がすごい ただ、そんな絶望的な世界だからこそ、「平和」が映えるんだなと思わされる
喫茶ペッシュネでは、お客さんはもちろん、誰しもが笑顔になる暖かい場所である
リシャルド店長が作る美味しい料理や香り高い紅茶は人々を笑顔にする
まだまだ争いの火種が多々ある不安定な世界でも、この喫茶ペッシュネにいる時だけはつらい気持ちを忘れることができる
この喫茶ペッシュネでの幸せな時間は永遠に続くことなくて、もしかしたらほんの一瞬の甘い夢なのかもしれない 願わくば、何も起こることなく、平穏な日常が続きますように!と祈る気持ちでいっぱいになる
だけど喫茶ペッシュネにはノイや心強い仲間たちがいる 希望を捨てない限り、この幸せな時間は永遠に続くのだと読者に思わせる楽しい物語だった
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